isobe_yakiのブログ

ニコ生ゲーム開発者向けの記事を書きます

ニコ生自作ゲーム新人コンテスト

今年の4~6月にニコ生自作ゲーム新人コンテストなる企画が開催されていました。

blog.nicovideo.jp

アツマールも閉鎖するし、クリエイターを少しでもニコ生ゲーム側に誘導する狙いの企画だと思います。あとは、クリエイターズキャンプの課題作品をお披露目する場の役割もありますね。

というわけで今回このコンテストに出してみたので振り返っていこうと思います。

応募?

新人って感じでもないんで全く出す気なかったんですが、よく見たら審査部門に『ベテラン部門』と『未完部門』というのもあるようです。新人部門とベテラン部門は単純にそのアカウントで公開したことのあるニコ生ゲームの数が2個以下か3個以上かの違いなだけのようです*1。未完部門というのは未完成作品でもいいから応募してみてねという部門のようです。

自分は既に3作を公開状態にしていたので*2自分が出せるとしたらベテランか未完ですね。ただ、怖い部屋3Dで結構燃え尽きてたしこの時期リアルがそこそこ忙しかったので新作なんか作る暇もなく、、頭の片隅に入れつつも何もできませんでした。

ちなみにベテラン部門の賞品は大賞が5万円で、大賞と優秀賞両方で公式ゲーム制作のオファーがついてきます。前者はいいとして後者が困るんですよね。結構忙しくなったりすることもあるし頼まれても作る気起きないだろうし自分なら断ってしまうだろうと、だったらもっとやる気のある方に受賞してもらった方がいいのでオファー付きの賞には応募できません。一方で、未完部門は高級みかんジュースorゼリーとのこと。ややふざけてますが、果物ゼリーを年中摂取してる自分としては「悪くないね🤤」という感じ、食べたら終わりなので後腐れがないのも良いですね笑。また、上記3部門に応募すると勝手にエントリーされる審査員特別賞みたいなものが何部門かあるようですが、こちらの賞品はスタッフの褒めちぎりだそうです。これも個人的にはちょっと困惑しちゃいそうです。一応希望者のみとなってますが断るのもちょっと気まずいですよね?

そして、出そうかどうか迷ったまま締め切りの3日前になってしまいました。ちなみに今回は締め切りが金曜日なので平日仕事の自分は何かするにしてもほとんど時間がありません。

突然蘇りし子供の頃の記憶――。夏休みの宿題、最後まで残した読書感想文や自由研究をどうにでもなれ!と適当に書き上げて出していたあの熱い(?)気持ちを思い出します。

やっぱり心のどこかでイベントにはちゃんとしたもの出さなきゃ、変なもん出したくないみたいな気持ちがあったんでしょうね。そのせいで、変に参加を躊躇してたんですが時間の無さが自分に赦し妥協を与えてくれました😇。

「そもそも狙うは未完部門・・・はなからゲームとして完成していることは求められてないんだし、ええい いったれ!

こんな心境でした。結局最後はいつもの"勢いだけ"になってしまいました。


今回も時間が無いのでまたしても3D迷路(仮)を転用してゲームを作りました。その名も『ニコニコ迷宮』*3。それぞれの内容を軽く紹介します。

3D迷路(仮)

3D迷路はwasmやWebGLやマルチゲームの技術的検証をするためのプロジェクトでした。なぜ迷路かというと「簡単に実装できて」「オブジェクトが大量にあって」「大人数の検証もしやすい」からです。内容としては3D空間の迷路を1人称視点で歩き回れるだけでゴールも無くゲームの体も成してません。しかし、技術的にはかなりいろんなことを詰め込んでいるのでその辺の凄さは分かる人には分かってもらえると思います。

以下、過去のツイートから引用。

そこからニコニコ迷宮へ

※これは現ニコニコ迷宮

3D迷路はゲームと言うより技術デモだったのでゲーム性が皆無です。これをあと2日でどうにかゲームっぽく作り変えるにはどうすればいいか、頭の中で遊ばれているところをイメージしながら案をひねり出します。

まず描画負荷検証の目的で配置していた壁なんですが、マルチゲーム的には他人の動きが見えてた方が面白いし、そもそも迷路として難易度が上がりすぎだと思ったので取っ払っちゃいました。で、そうすると画面がスカスカになって真っ黒の空ばかりになってしまうんですが、そもそも公式のニコ生ゲームとかって背景透過が多いですよね?背景作りこむくらいなら配信画面見えてるほうが見た目面白いし、楽だしいいじゃんということで背景も取っ払ってしまいました。ついでに床も光の床っぽいイメージになるようにデザインし直して綺麗な見た目にしました。ちなみにデフォルトのおっさんアバターの小汚さが浮いてしまってますが、これはもともと3D迷路の風景を砂漠の遺跡っぽくする予定だったので、アバターアンチャーテッドを参考にした学者兼冒険者風にしていたためです。

次にゴールですが、今まではただゴールに球体置いてるだけでゴール判定すらしてなかったんですが、ちゃんとサーバーで判定して、順位も決めるようにしました。それまでは実験レベルでしかなかったサーバーwasmでしたが、このためにちゃんとロジックも実装して実用レベルまで持っていきました。

あとはランクボードですが、先着順に画面右上から名前が並んでいくだけというかなり雑な物しか間に合いませんでした笑。のちのバージョンアップでかなり演出強化はするんですが、この時はもう演出なんか作りこんでる時間は無かったのでしょうがないですね。ともかく、これでギリッギリのゲーム性は確保できました(白目)

結果

そして締め切りから3か月近く経った8/22。ついに結果発表されました。

blog.nicovideo.jp

応募作は41作(少なっ)。各部門にどれだけ応募があったか分かりませんが、ニコニコ迷宮は狙い通り未完賞を受賞することが出来ました!!🎉

選考コメント

3Dの迷路で参加者たちがいっせいにゴールを目指します。まず見た目がインパクト大。分かりやすいゲーム性で誰でもすぐに遊べます。視点を動かし、ゴールの場所を見つけて、どこから行けばいいのか考えたり、ライバルが移動しているのを見てあせったりと、シンプルながら熱くなる要素があります。まだむきだしの型枠のみではありますが、マルチゲームとして賑やかに楽しめる作品となる可能性を感じました。

選考コメントを見るに技術的な評価はあまり無く、ラスト2日でやったゲーム性の改善が割と効いたみたいです。完成度は低いのに、ちゃんと完成させたときの「可能性」で見てるのがいいですね。一応アイテムとかアクションの構想だけはいっぱいあってそれらが入れば賑やかなゲームになるイメージだったのでそこを評価いただけたっぽいです(ほんとにやるとは言ってない)。他のゲームも大体そんな感じっぽいですね。

感想

今回初めて参加するイベントでしたが、季節イベントと違って応募の3~4か月後に発表されるまでただ待つだけなのでなんかピンと来ないですね。まぁ、ハラハラしないで済むのはいいですが😓

多分クリエイターズキャンプとセットの企画と考えた方がいいんでしょうね。今回の応募作がどれくらいキャンプ生のものだったか分かりませんが。 というか他にどんな作品があったのかも分からないんで地味に気になりますね。(見落としてるだけ?)

まぁそれはともかく賞品が楽しみです。まさかとは思うけどゼリー1個だったら二度と出ないからな!頼むぞ!(いや、普通に次回以降出ない気がするけど・・・)

追記

結果発表から約3ヵ月。ちゃんと高級ゼリー届きました!中に丸々1個みかんが入ってるんですが味が尋常じゃなく濃くておいしかったです^p^

*1:かなりいい加減な分類ですね・・・ベテランが新人賞狙いで新たにアカウント用意しても新人枠で出せちゃうだろうし

*2:1個は実験用でしたがそこは考慮されるのか不明だった

*3:ひねった名前より直球の方がいいかなと思ってる